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小鹿田焼
小鹿田焼とは…

大分県日田市の山間、皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる民芸陶器。飛び鉋(かんな)と呼ばれる金属製の薄いヘラで付けた削り模様や、刷毛を用いて作る幾何学的模様が特徴的です。古い柱時計のゼンマイから鉋などの道具が手作りされ、足で回す蹴轆轤から生み出されます。小鹿田焼には窯元名は入っておらず、窯元全員で原土の採取から作品づくりを行う地域ブランドである証。

全国でも珍しい、水力を利用した臼で地元の土を搗き陶土を作ります。陶土を搗くための臼は「唐臼(からうす)」と呼ばれるもので、ししおどしのように受け皿に溜まった水が受け皿ごと落ちる反動によって陶土を挽き、その唐臼の音は「日本の音風景100選」の一つにも選ばれています。

平成7年に重要無形文化財保持団体の指定を受けた小鹿田焼は、集落で昔と変わらず技法を守りながらも今の生活に不思議となじみ、モダンにも感じられる用の美が若い世代にも人気を呼んでいます。